今日は過去の有馬記念出走馬の前走着差を取り上げたいと思います。
まずは、前走で勝っていた馬のデータです。
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前走着差(秒) 1着 2着 3着 着外 勝率 連対率 複勝率
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1.0~1.9 1- 0- 0- 1/ 2 50.0% 50.0% 50.0%
0.6~0.9 0- 1- 1- 4/ 6 0.0% 16.7% 33.3%
0.3~0.5 0- 0- 0-10/10 0.0% 0.0% 0.0%
0.1~0.2 3- 1- 1-31/36 8.3% 11.1% 13.9%
0.0 2- 2- 2- 8/14 14.3% 28.6% 42.9%
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前走で0.3秒差以上の差をつけて圧勝した馬の有馬での全成績は[1-1-1-15]です。
唯一、勝っているのは94年ナリタブライアン。辛うじて3着内に入ったのは、88年スーパークリーク(3着入線も失格)、93年ビワハヤヒデの2頭です。これらの馬に共通するのは年齢が3歳であること、前走が菊花賞(しかも優勝)だったことの2点。伸び盛りの3歳馬の勢いが、有馬好走に結びついたといえます。
02年ファインモーション(前走0.4秒差勝ち)、03年タップダンスシチー(前走1.5秒差勝ち)という人気馬が破れ去ったのも、前走圧勝の反動と考えられます。
有馬で好走するためには、前走で勝つにしても0秒2以内であること。これが有馬の掟だと思います。
そして今年、前走JCをあまりにも鮮やかに勝ったがゆえに、ゼンノロブロイには危うさを感じてしまうのです。そのJCで2着馬につけた着差は0.5秒。データでは、これに該当する馬はすべて着外に沈んでいます。
次に、前走で負けていた馬のデータです。
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前走着差(秒) 1着 2着 3着 着外 勝率 連対率 複勝率
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0.0 0- 1- 3-11/15 0.0% 6.7% 26.7%
0.1~0.2 3- 5- 3-16/27 11.1% 29.6% 40.7%
0.3~0.5 2- 3- 5-26/36 5.6% 13.9% 27.8%
0.6~0.9 2- 3- 1-36/42 4.8% 11.9% 14.3%
1.0~1.9 5- 2- 1-48/56 8.9% 12.5% 14.3%
2.0~2.9 0- 0- 0- 9/ 9 0.0% 0.0% 0.0%
3.0~3.9 0- 0- 0- 2/ 2 0.0% 0.0% 0.0%
4.0~ 0- 0- 1- 2/ 3 0.0% 0.0% 33.3%
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前走で負けている馬は、0秒9以内の着差だったケースが多いですが、1秒以上負けている馬でも5勝2着2回3着1回という実績は見逃せません。
昨日紹介した10着以下の大敗馬も巻き返し可能というデータとも関連するのですが、たとえ2秒近く離された大敗であっても、有馬ではその着差をひっくり返してしまう馬が現れるケースが少なくない、ということです。
ちなみに、1秒以上の大差をひっくり返したのは、シンボリクリスエス、トウカイテイオー、メジロパーマー、イナリワン、メジロデュレンの5頭です。
これらの馬に共通するのは芝2200以上のG1勝ちの実績があったという点です。それらの実績がない場合は2、3着までと考えていいでしょう。
昨日から見てきた前走データからいえることは、有馬ではあまり前走着順は気にする必要はない、ということです。逆にそれに引きずられすぎると、肝心なポイントを見落としてしまう可能性が高くなります。
次回は、血統面から有馬を探ってみたいと思います。
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