昨年、一昨年に続いて今年も18頭のフルゲートで争われることになりそうな天皇賞・春。
しかし、出走頭数が18頭以上となったケースは過去の春天の歴史のなかでも意外に少なく11回しかありません。1964年の24頭が最も多く、以後75年(18)、79年(21)、80年(18)、84年(19)、88年(18)、89年(18)、91年(18)、95年(18)、03年(18)、04年(18)となっています。
注目したいのは、この多頭数戦での単勝1番人気馬の成績。[2-2-3-4]という字面からはそんなに悪くはないという印象を受けますが、連対を果たした4頭は古い順にメイズイ、キタノカチドキ、タマモクロス、メジロマックイーン。3着はホリスキー、スルーオダイナ、ダイタクバートラムの3頭。そして4着以下に散ったのがキャプテンナムラ、シービークロス、エアダブリン、リンカーンの4頭です。
連対した4頭のうちタマモクロスを除く3頭はいずれもダービーあるいは菊花賞の勝ち馬(タマモクロスはG1出走経験ナシ)。3着以下に破れた馬はホリスキーを除くと長距離実績こそあるもものG1タイトルのない馬ばかり。
つまり、中長距離G1に出走経験がありながらノンタイトルの1番人気馬はフルゲートの淀の長丁場では2着内に入ることすらできない、ということです。
さて、今年はどの馬が単勝1番人気に推されるのか予断を許さない状況ですが、実績と人気のバランスを考えると1番人気を背負って連対圏に食い込めそうなのはヒシミラクル、マカイビーディーヴァの2頭ぐらい。それ以外ではいかにも役者不足の感は否めません。
また、多頭数の春天では仮に1番人気馬が順当に連対を果たしたとしても、その相手には人気薄馬が突っ込んでくるというケースが珍しくない。88年タマモクロス優勝のときは2着に13番人気のランニングフリーが、91年メジロマックイー優勝のときは2着に7番人気ミスターアダムス、3着に13番人気オースミシャダイが入っており、一筋縄では決着していません。
昨年の春天同様に、今年もアッと驚く結末が待ち構えていそうな予感が。
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