ビッグゴールド、カネスベネフィット、ジェイケイベスト、アドマイヤドレス、ステンカラージン…、これはただの思いつきで馬名を並べたわけではなく、今年に入ってから3連単100万馬券に絡んだ馬ばかりです。
レース前はファンの視線の埒外に置かれながらもレース後にはそうした懐疑の視線をあざ笑うように先頭でゴール板を駆け抜ける。ディープインパクトのように華やかな舞台は似合わないけれども、そうした人気馬にくらいつき、勝利をもぎ取ったしたたかなアップセッターたちです。
もちろん、これはほんの一部で、05年上半期で3連単100万馬券に絡んだ馬は延べ72頭。この面子をながめていると、穴党である私はたまらなくいとおしさを感じてしまいます。なかでも、穴党を最も歓喜させ、本命党を震撼させたという意味では、「大阪-ハンブルグC」と「天皇賞・春」で2走続けて3連単100万馬券の立役者となったビッグゴールドが大賞級の活躍でした。
一方、種牡馬に目を移すと個人的にはPulpitが最も印象に残りました。その産駒自体が少なく出走数自体も当然少なかったのですが、Pulpit産駒が勝つと3連単が100万馬券になってしまうという法則(わずか2勝なので、法則というほどでもありませんが)を生み出した、今年に入って4勝中2勝が3連単100万馬券という業績はやはり讃えるべきかと。3月の伊丹特別ではステンカラージンが単勝15番人気で、5月のアンタレスSではピットファイターが単勝5番人気で、それぞれ快勝し、3連単100万超馬券を叩き出しました。下半期も穴党の方はPulpit産駒に注目しましょう。
そして、騎手では3連単100万馬券レースで[4-0-0-2]という好成績を残した松岡正海がトップ賞。去年あたりから若手騎手のなかでは乗れるジョッキーとして注目を集めていたわけですが、今年の上半期だけで20勝を超えており、去年の28勝は軽々と超えてしまいそうな勢い。あまり勝ちすぎると、馬券的な旨味が薄くなっていくので、痛し痒しではありますが。
05上半期は天皇賞・春のような大波乱もあったのですが、それはアップセットというよりも人気馬が勝手にコケて結果大波乱というような感なきにしもあらず。そういえば、最近大本命馬をゴール前で葬り去るという鮮やかなアップセットというのを目にしていない気がします。たとえば、85天皇賞・秋のように、条件馬にすぎなかったギャロップダイナが大本命馬シンボリルドルフを差し切るというような。強い馬が強いレースをして勝つ、というのも競馬の醍醐味なら、ファンの度肝を抜くような大逆転劇も競馬の醍醐味のひとつではないかと。
秋にはディープインパクトをゴール前で差し切るような馬の出現を秘かに期待しています。ディープ独り勝ち状態が続くよりも、そうした強力なライバルが出現してこそ、競馬はより盛り上がるのでは。そして、その的中馬券を握りしめて、私が歓喜の雄叫びをあげる、と。こういうムシのいいシナリオを描いていたりします。
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