昔読んだ山口瞳氏の「草競馬流浪記」をパラパラとめくっていると、細かい箇所はかなり忘れていたのですが、おもしろい記述に出くわしました。
いま絶不調にあえいでいる、笠松競馬所属時代の若き日の安藤勝己騎手についてです。
20代の安藤騎手は「おぼこい(カワイイ)顔をした天才肌の美少年騎手」として紹介されています。著者の山口氏が笠松競馬の関係者にこう尋ねます。
「安藤勝己騎手というのはうまいかね?」
その問いに笠松競馬の関係者はこう答えています。
「上手ですが、いま、ちょっと、勝ちにいきすぎるようなところがありますね」
これをあらためて読んで、アンカツという騎手は基本的に昔から変わってないのだな、と思いました。いまの彼の騎乗を見ていると勝ちにいきすぎるところは同じなのですが、好調時に比べると若手騎手のように余裕が感じられない。まだ体調が万全でないということもあるのかもしれませんが、なんだか鞍上でバタバタしているように見えるのです。
まあ、暖かくなって体調が戻ってくれば、また勝ち鞍を重ねてくるのではないかと、私なんかは楽観的に見ているのですが。
それともうひとつ。柴田善臣騎手について。クリスタルCのアノ野次についてですが、競馬場と野次は切っても切り離せないモノ。納得のいかない騎乗をした騎手に対してファンが野次を飛ばすのは至極当たり前のこと。馬券を買うファンがいるから興行として成り立っているわけですから、ファンは納得のいかないことに対して声をあげるべきだと思います。
まあクリスタルCについていえば、アイルラヴァゲインの単勝1.4倍は過剰人気でしたね。いくら前走で高い能力を示したといっても今年初めてのレースとなる3歳馬に、そのオッズはないだろう、とも思います。
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