オークス、ダービーと超スロー、ワンサイドと、盛り上がりを欠くレースが続いていただけに、久々に見応えのある競馬を堪能できたという意味では、今日出走した18頭全馬に拍手を贈りたい気分です。
レースはローエングリンがハナを切り、12.2-10.7-11.0-11.7-11.8-11.4-11.3-12.2というラップ。遅くもないが速くもないマイルG1としては平均的なペース。ただ、レース後ブリッシュラックのモッセ騎手が「この馬には(馬場が)軟らかすぎた」といっているように、やや重から良に回復したばかりのややソフトな馬場だったことを考慮すれば、字面以上にタフな流れだったのかもしれません。
勝ったアサクサデンエンについては、急速に力をつけてきたのは前走の京王杯SCで証明していたわけですが、その良化ぶりを私も含めて多くの人々が信頼しきれなかった。それが単勝7番人気という低評価につながっていたわけで、今日のレースぶりを見れば、これはもう本物だと認めるしかないと思います。
アサクサデンエンがG1馬に登りつめることができたひとつの要因として、チークピーシーズという馬具の存在もぜひ指摘しておきたい。チークピーシーズで馬がレースに集中できるようになって成績を上げてきたのは、この馬に限らず記憶に新しいところでは、5月のかしわ記念で初G1勝利を収めたストロングブラッドなどもそうです。JRAもそろそろこの馬具の装着について正式にアナウンスをしてもらいたいと思います。劇的な効果が認められている馬具であるにも関わらず、JRAはその装着については申告義務を課していないのは、どう考えてもおかしい。ディープインパクト人気に乗っかった集客法を考えるだけが、JRAの仕事ではないだろうと思うのですが。
話が横道に逸れてしまいましたが、今年の安田記念は、香港馬がアウェー戦ながら能力の高さをそれなりにアピールし、日本馬や騎手もそれぞれのキャラを演じ切ったという感が強く、内容はかなり濃かったと思います。私の◎ダンスインザムードがワケのわからなさをさらにパワーアップさせてきたのが、私にとっては大きな誤算ではありましたが。
これでJRAの上半期G1も残すところ、宝塚記念だけとなったわけですが、これまでの4歳以上のG1を振り返って目についたのは5歳馬の不振。元々この世代の層の薄さはかねてから指摘されていたわけですが、今シーズンのG1で5歳馬が馬券の対象になったのはフェブラリーS3着のヒシアトラスと天皇賞・春3着のアイポッパーのみ。今日の安田記念を制したアサクサデンエンの6歳世代の層の厚さを考えると、余計に5歳世代の脆弱さが目につきます。やはり、5歳馬で他世代とまともに戦えるのはゼンノロブロイのみという図式は変わってないとあらためて感じた次第です。
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