スイープトウショウが昨年5着の雪辱を成し遂げた第30回エリザベス女王杯。
レースはオースミハルカの思い切った逃げで幕を開けました。ラップを見ると、12.3-10.9-11.9-12.4-12.5-12.5-13.3-12.0-11.5-11.1-12.1と、前半の3ハロンが速く、前半に後続との差をできるだけ広げ、途中で息を入れて脚を温存してラストスパートで逃げ込みを図る、という川島騎手の意図がよくわかります。結果論をいえば、最後の1Fが12.1と少しだけかかったためスイープトウショウの差しを許したということになりますが、ここは勝ったスイープトウショウをほめるべきでしょう。
人気を集めたエアメサイア、ヤマニンアラバスタの2頭が若干の不利があり、後方であえいでいたのとは対照的にスイープは終始スムーズなレース。このあたりは牡馬の一線級と互角に渡り合ってきた経験の差が出たともいえます。考えてみれば、去年のエリ女の1、2着馬が着順こそ入れ替わりましたが、2、3着に入り、スローに泣かされて5着に破れたスイープがその後タフなレースを経験することでひとまわり大きく成長して、今年はアタマをとった、と。その意味では牝馬戦線の勢力図は去年と大きな変動はなく、それだけにスイープの成長ぶりが際立ったということなのかもしれません。
人気を集めたエアメサイアは最後の直線でようやく、らしさをみせてくれましたが、今回は古馬との経験値の差が出た形。しかしながら、この5着は去年のスイープと同じ。来年の飛躍に期待したいと思います。
スイープトウショウは今日の勝利で有馬に駒を進めることになるのでしょうか。中山芝2500という条件はこの馬にとってベストとはいえませんが、牡馬勢が手薄なだけに、対等に渡り合えるのでは。暮れの大一番を盛り上げるためにも、ぜひ有馬への出走を望みたいところです。
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