今年で44回目を迎える関東オークス。中央との交流重賞に指定されたのが00年で、それ以降のデータをもとにレースを展望してみたいと思います。
このレースでよくいわれるのが「初ダート馬苦戦」というデータ。確かに、05年ライラプス(1番人気4着)、コスモマーベラス(2番人気10着)、06年シェルズレイ(2番人気11着)と苦戦模様。しかし、この3頭のうちコスモマーベラスとシェルズレイの2頭は血統的にダート適性に疑問があった馬であり論外。もう1頭のライラプスは近親に06マーチS3着のベラージオなどがおり血統的にはダート適性に問題はありませんでした。4着という結果をどう評価するかですが、2・3着馬からハナ・クビという着差を見ると実質的には勝ち負けに等しい内容といえます。つまり、血統的に明らかに芝向きという馬でない限り、さほどダート経験を重視する必要はないのではないか、ということです。
今回の関東オークスの前売りオッズを見ると、ダート経験の有無が重視されているようなムードですが、シンプルに実績を考えればカレイジャスミン最上位は明らか。同馬は父がダート巧者を多く輩出するタヤスツヨシ、祖母がダート戦2勝の中堅馬だったアイシーゴーグルという配合。血統的には芝よりもむしろダート向きと感じさせる血統構成です。となれば、ここは馬券的妙味を考えてもカレイジャスミン軸推奨。
ユキチャンはダート戦3勝の現役馬ホワイトベッセルの全妹。自身もダート戦に勝ち鞍があり、ダート替わりは歓迎でしょうが、能力的に未知数の部分もあり対抗評価が妥当。
やや過剰評価と思われるのがプロヴィナージュ。前走の500万条件戦での8馬身差圧勝が評価されているものと思われますが、勝ち時計の1.38.7は翌日の未勝利戦より0.5秒速いだけであり、タイムそのものは平凡。相手関係を考えても、そのレースに出走していた馬のなかで、その後同条件の勝ち上がりが1頭もない(馬券対象圏内は2着のヒロアンジェロ1頭のみ)というメンバー構成では「8馬身差圧勝」を額面通りに受け取るのは危険。ここは狙いを下げてこそ妙味ありでしょう。
それならダート替わりで一変が期待できるマダムルコントに期待するのが筋。去年暮れの東京2歳優駿牝馬では、東京プリンセス賞勝ちのプライズメイトを破っており、対地方馬という観点に立てば上位の評価が可能。
地方馬はレベル的にやや疑問。今年の東京プリンセス賞は重馬場で1.56.3という平凡な勝ち時計。3年前の関東オークス優勝のテンセイフジは東京プリンセス賞で良馬場ながら1.55.2。2年前のチャームアスリープは不良馬場で1.53.9という時計を記録しており、それらと比べると今年の東京プリンセス賞馬プライズメイトに勝ち負けまでを期待するのはどうか。3着候補のオサエ程度という評価が妥当でしょう。
東京プリンセス賞2着のハタノギャランも同様。後方待機策から能力上位のJRA勢をまとめて差しきるというシーンはイメージしにくい。JRA勢の一角が崩れた際の3着候補まで。道営から船橋に移籍のマサノミネルバは去年10月以来というローテーに加え一気の相手強化ではさすがに狙いづらく、今回は消し。
◎カレイジャスミン
○ユキチャン
▲マダムルコント
△プロヴィナージュ
△プライズメイト
△ハタノギャラン
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