日本の期待を一身に背負った感のあるディープインパクトが3着に破れ去った第85回凱旋門賞。
この3着という結果をどう評価するか、それは人によって様々でしょうが、私としては初コース、宝塚以来となるローテー、初めて背負う59.5の斤量というマイナス材料を考慮すれば、上々の結果だったといえるのではないかと思います。逆にいえば、これで勝てば、それこそバケモノだろうと。同じ斤量を背負ったシロッコ、ハリケーンランに先着しての3着という結果は立派なものだろうという気がします。
レースが行われる当日の馬自身やコースのコンディション、レース展開によって着順などは変わるもの。凱旋門賞に勝ったから世界最強という言い方もいかがなものか、とディープ報道に接しながら感じたことのひとつ。ディープもハーツクライとの力関係で考えれば、世界で抜きん出た能力を持つ馬とは思えず、今回の凱旋門賞の出走メンバーと何回かレースを繰り返せば、そのときの条件によって勝つこともあれば負けることもある。そんな力関係だろうと思います。
ただ、考えてみれば外国の一線級に対し、そうした互角の勝負を挑める存在がハーツクライも含めて日本に複数存在するということが、過去の日本競馬を振り返れば、高く評価できるのでは。
要するに、ディープの3着は、そんなに悲観すべきことではないし、かといって楽観することでもない。レース後、池江調教師が「また、こういった大きなレースに挑戦したい」とコメントしていましたが、その心意気さえあればきっと勝つチャンスは訪れるだろうと思います。ただ、ディープが勝ったとしても「世界最強」などとうかれるのはいかがなものか。こういう空騒ぎは、JRAが目指している競馬パート1国としては、あまりに未成熟という気がします。
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