有馬記念は秋のG1シリーズを戦ってきた馬たちの最後の頂上決戦です。
したがって、この大一番を勝つためには底力だけでなく、ここに至るまでにどれだけ力を温存できているかが問われます。
有馬を解き明かすカギは「底力」+「温存」。その比重は年によって当然異なり、「底力」に傾くときは順当に、「温存」に傾くときは波乱になる。そんな感じだと思います。
有馬に至るまでの消耗度を測るために、いちばん有効なのがJCの結果です。かつては、JCの最先着馬は有馬で消える、といわれましたが、99年2着のスペシャルウィーク、00年優勝のテイエムオペラオーによって覆された、と見られています。
しかし、その2頭のJCでの走破タイムが、いずれも2分25秒台と26秒台というJCにしては平凡なタイムであったことを見落としてはならないと思います。
JCを2分24秒台以内のタイムで駆けて、なおかつ連対した馬の有馬での成績は以下のようになります。
89年オグリキャップ…5着(1番人気)
92年トウカイテイオー…11着(1番人気)
93年レガシーワールド…5着(2番人気)
95年ヒシアマゾン…5着(1番人気)
96年ファビラスラフイン…10着(4番人気)
01年テイエムオペラオー…5着(1番人気)
今年、有馬で人気を集めそうなゼンノロブロイ、コスモバルク、デルタブルースの3頭はいずれもJCを2分24秒台で駆けており、上記のデータでいえば消える可能性も十分あるといえます。
馬の消耗度を測る場合、秋の消化レース数がよく話題になりますが、単純に消化レース数を見るのではなく、レベルの高いG1での走破タイムや着順を見た方がより正確に消耗度を測ることができるのではないか、と思います。
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