オークストライアルのフローラSは、上位人気馬テイエムプリキュア、アイスドール、マイネサンサンがいずれも掲示板にすらのれない惨敗を喫し、単勝10番人気馬ヤマトマリオン、同8番人気馬ブロンコーネのワンツーという波乱決着に。
ヤマトマリオンはこれまでの2勝がすべてダート戦で、芝では連対すらなかった馬ですから人気がなかったのも頷けるのですが、母ヤマトプリティという名前を聞けば、ダート競馬ファンなら、これも血の成せる業なのかと思い起こす人も少なくないのでは。このヤマトプリティは現役時代40戦6勝をマークしたのですが、そのキャリアのなかでただの1度も単勝1番人気に推されたことがなく、まだ馬単や3連単のない時代でしたが、馬連で万馬券を次々に叩き出すダート競馬の穴党にとっては忘れられない存在でした。そんな穴馬を母に持つヤマトマリオンですから、私も秋ぐらいにはダートの短距離でまた穴をあけてくれるのでは、と秘かに期待を寄せていたのですが、まさかオークストライアルでやらかしてくれるとは…。ヤマトプリティの血、恐るべし、です。
血といえば2着に入ったブロンコーネも、オールドファンにとっては郷愁を呼び起こさずにはいられない血統を持った馬。ビクトリアクラウンやタレンティドガールなどの名牝を輩出した、いわゆるワールドハヤブサの一族。3歳牝馬戦線の脇役として、サンデー系以外のこうした個性派が名乗りをあげたのは、オークスに彩りを添える意味でもよかったのでは。
一方、ダート戦線のアンタレスSでは、フィフティーワナーという新星が誕生。レース前、休養明け、初めての重賞挑戦ということもあり、狙いを下げたのですが、そんな私の浅はかな読みをあざ笑うかのような圧勝劇。素直に参りました、とアタマを下げるしかない完勝でした。ヒシアトラス、サカラートというダート重賞の常連馬を相手にしての圧勝ですから、武豊騎手がいう「イレ込む気性」を矯正できれば、トップクラスに追いつくこともできるのでは。4着にも昇級戦のフィールドルージュが入ったことを考えれば、ダート戦線も主役は4歳馬に徐々に移りつつあるのかもしれません。
投稿情報: |