レース前日にJRAのスウィフトカレントが出走を取り消して13頭立てとなった今年の帝王賞。
今回のメンバーを見渡すと、ヴァーミリアン、フィールドルージュ、ブルーコンコルドなどの名前が見られず、ダート中長距離路線の上半期の総決算としてはやや小粒という感は否めない印象。そのため、格下と見られる馬にも今年に限っては十分チャンスありでしょう。前売りオッズを見ても、交流重賞によく見られる単勝オッズ1倍台の圧倒的1番人気馬も見当たらず、競馬ファン全体の見立ても「混戦模様」となっています。
また、このレース自体、交流重賞に指定された95年以降の13回で単勝1番人気馬が5勝2着2回とやや波乱傾向にある、というデータが投票傾向にも現れているのかもしれません。
そんななか前売り段階で単勝1番人気に推されているのが船橋のフリオーソ。昨秋以降ヴァーミリアンやフィールドルージュには勝てなかったものの、しぶとく2着を確保。前走の「ダイオライト記念」ではボンネビルレコードを5馬身突き放しての圧勝劇。その内容だけを見れば1番人気も納得ですが、問題はその後脚部不安により順調さを欠いた点。中央遠征時を除けば[5-5-1-0]という安定感は捨て難いいものの、今回は評価をやや割り引くのが妥当。
ボンネビルレコードは前々走でのフリオーソに完敗という一点で人気を下げているようですが、本来は1600~2000が適性距離。帝王賞はかしわ記念から距離延長で臨む馬の活躍が目立つレースであることを考えれば、実績ある大井2000なら対フリオーソという観点に立っても逆転の目もあると見ます。
その他のJRA勢では、やはりワンダースピード。前走の「東海S」はダート2300戦としてはありえないほどのスローペースにはまってしまっての敗戦。ヤマオマリオンに名を成さしめたのも、芝の長距離戦のような流れになってしまったゆえと考えれば、さほど深刻に受け止める必要ナシ。今回は鞍上も乗り慣れた小牧に戻り、距離も得意の2000に短縮。大井2000の経験値ではボンネビルレコードに一歩譲るものの、今回のメンバー相手なら十分争覇圏内でしょう。
その他で注目したいのは園田のチャンストウライとJRAから川崎へ移籍のコウエイノホシ。前者は去年の帝王賞4着馬。先着を許したブルーコンコルド、サンライズバッカスの2頭が今年は参戦していないことを考えれば馬券対象圏内浮上の可能性が。後者は一般的な評価としては「JRAでは1600万条件戦を勝てなかった馬」というものですが、実は得意の右周りではまだ全貌を現していないともいえます。苦手とする左周りの「金蹄S」でブリリアントS勝ちのエスケーカントリーに対し0.5秒差4着であれば、得意の右周りならとの希望も抱かせてくれます。
印としては以下のようになりましたが、△→▲→◎のような決着の可能性も秘める一戦。馬単や3連単では裏目もオサエておくべきでしょう。
◎ボンネビルレコード
○ワンダースピード
▲フリオーソ
△チャンストウライ
△コウエイノホシ
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