中央、地方すべての3歳馬による最強ダート馬決定戦という触れ込みながら、歴史の浅さも手伝ってか、各陣営の思惑には多少の温度差が感じられる一戦。過去9回の単勝1番人気馬の[5-1-0-3]という意外な好走率の低さもそうした「事情」と決して無関係ではないはず。
さて、今回の単勝1番人気馬サクセスブロッケンは力だけなら明らかに抜けている印象。何度も指摘されているように前々走の「ヒヤシンスS」では同日の「フェブラリーS」8着に相当する好タイムV。勝ち時計だけでなく、内容も同世代のなかでは抜けている印象が強く、今回の相手関係なら「普通に走れば」負けようがないともいえます。
問題は「普通に走れるかどうか」。この一点に尽きるでしょう。そう考えると、渾身の仕上げで臨んだはずの日本ダービー後の一戦、という点にひっかかりを感じるのも事実。ここは対抗評価まで。
しかし、サクセスブロッケンが展開面のカギを握るキーホースであることは間違いないでしょう。というのも、同馬のこれまでのレースを振り返ると、早め進出で逃げ・先行馬を競り落としているからです。事実、サクセスブロッケンが出走したレースでは新馬戦を除くすべてで逃げ馬が圏外に去っています。となると、今回もハナを主張しそうなナンヨーリバーにとってはツライ展開になりそうなムード。「兵庫CS」勝ちでそこそこ人気を集めていますが、対サクセスブロッケンという観点に立つと、今回は過大評価は避けたいところ。それは先行するイイデケンシンも同様で、「UAEダービー」以来の実戦に加え、今回は転厩緒戦。マイナス要素が多く今回は見送りが賢明でしょう。
そこで◎に期待したのが、先行集団を射程圏内に入れてレースを進めてきそうなスマートファルコン。ダート戦での実績はJRA馬のなかでも見劣りするものの、それは単にダート戦出走歴が少ないだけであり、血統的には99「東京大賞典」優勝馬ワールドクリークの半弟と、大井コースで大きく変わる可能性を秘めた存在。鞍上も魅力で、ここは同馬の一発大駆けに期待です。
前売りで単勝2番人気に推されているユキチャンは陣営のコメントから感じられるのは、ここが「力試しの一戦」ということ。前走の勝ちタイムが優秀だった点は評価できるものの、2着馬が500万条件を勝ったばかりのプロヴィナージュだったことを考えると、相手関係に恵まれた面は否めず、一気の相手強化となるここで大きな期待をかけるのはどうか、と思います。
それなら上がりのかかる展開になったときの東京ダービー馬ドリームスカイの方が不気味。サクセスブロッケンが前を掃除してしまえば、それに乗じたこの馬の差しがはまるシーンも。他の地方馬はやはり力的に見劣り否めず。ここまでにあげたJRA馬4頭とドリームスカイ以上5頭のレースと見ます。
◎スマートファルコン
○サクセスブロッケン
△ナンヨーリバー
△ドリームスカイ
△ユキチャン
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