川崎ダ2100を舞台とする伝統の牝馬重賞。今回の焦点はクイーン賞、TCK女王杯でワンツーを決めたヤマトマリオン、ユキチャンの間を割れる馬が現れるのか。この一点でしょう。
逃げ先行有利といわれる川崎ダ2100ですが、このレースでは意外に典型的な前残りとなるケースが少なく、逃げ馬が残るのは05年ブルザトリガー、07年トーセンジョウオーのように、やや軽視されていた馬が人気の差し馬を尻目にまんまと逃げ粘るというケースがほとんど。今回ユキチャンがハナを切った場合、当然他馬からの目標となり、展開的にはツライ立場となる可能性が。
となれば、今回も先にあげた2頭ではヤマトマリオンを上位と見るのが筋でしょう。ただ今回は前走で見せたスタートでの出遅れが少々気がかり。使い詰めでさすがに上がり目は期待しづらく、何かに差し込まれる可能性ナシとはいえず。
そこで、一発の期待をかけてみたいのが、前年同レース2着のニシノナースコール。この馬は、左周りのダートで、脚がたまる流れになるかどうかがすべて。ダ2100で[0-2-0-1]と好走率が高いのもスタミナ云々の話ではなく、道中ペースが緩む流れなら脚がたまるため。そうした条件さえ揃えば、去年11月の「ブラジルC」のように牡馬の重賞勝ち馬マイネルアワグラスとクビ差の好勝負を演じられるだけの潜在能力の持ち主。牝馬限定戦でヤマトマリオンから1kもらいの斤量設定ならアタマまでを期待するのもさほど無理筋ではないと思われます。振り返れば去年のエンプレス杯2着時は約半年ぶりの実戦。今回は順調に使われている分、臨戦過程でも去年以上。前走の大敗もこの馬には合わない短距離戦ゆえ度外視可能です。
去年同レースでニシノナースコールに先着のサヨウナラは臨戦過程が疑問。「TCK女王杯」を叩いてエンプレスという点では去年とまったく同じでも、0.3秒差4着だった去年に比べ今年は1.9秒差7着。しかも、前走で-19kと大幅に体重を減らしていたのが気がかり。一度叩かれて得意の左周りということで、そこそこ注目を集めるでしょうが、人気ほどの信頼度はない、と見ます。
地方勢の健闘目立つレースですが、今年に限っては距離延びてパフォーマンスを上げてきそうな存在は見当たらず、先にあげたJRA勢を重視すべきでしょう。
◎ニシノナースコール
○ヤマトマリオン
△ユキチャン
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