86年のメジロデュレン優勝を最後に、1着馬が1頭も出ていない枠があります。それが「6」枠です。
86年以降のデータを見ると、勝率(2.5%)、連対率(7.5%)、複勝率(10%)と6枠の成績は惨憺たるものです。ちなみに、それぞれのトップは勝率が2枠(11.1%)、連対率が4枠(18.9%)、複勝率が5枠(25.6%)となっています。
このデータを見ると、6枠は消しだなと考える人もおられるでしょうが、はたしてそうでしょうか。このデータはいわゆる出目です。極論すれば、サイコロの目と同じだと考えてもいいでしょう。かつての日本ダービーのようにフルゲート28頭もいれば外枠不利という特殊な条件も生まれてくるのですが、87年以降の菊は18頭以下で行われており、枠順による大きな有利不利はないと考えられます。
サイコロを振り続ければ、その出目はやがて平均化するという理論に基づけば、この6枠の出現数の少なさは異常ともいえるのです。
しかし、この6枠は馬券対象圏内にからんだ回数は少ないものの、
その代わりに大きな配当を叩き出すという不思議なパワーを秘めています。先に紹介した86年優勝メジロデュレン(6番人気)、2着ダイナガリバー(5番人気)、そうこの年は枠番6-6のゾロ目だったのです。続いて、87年3着ユーワジェームス(11番人気)、そして01年2着マイネルデスポット(11番人気)と、人気薄の穴馬ばかりです。
今年の菊で6枠馬が好走するという保証はどこにもありません。しかし、軸をどの馬にするにしても、6枠馬(人気薄なら、さらに良し)をひっかけておくのも悪くないかも、などと考えたりしています。
農林省賞典四歳馬という名称が菊花賞と変更されたのが1948年。この年、単勝1番人気に推されて期待通りに優勝したのがニューフォードという馬でした。実はこの馬も「6」枠だったのです。さらにいえば、第1回の農林省賞典四歳呼馬の単勝1番人気馬タエヤマという牝馬も「6」枠でした。
菊と「6」枠。なにやら不思議な縁があるようです。
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