皐月賞を予想する前に自分の頭を整理する意味でも、本番に直結しそうな去年の朝日杯FS以降の芝1600以上のOP戦で皐月登録馬が2頭以上出走したレース対象に、今年の出走予定馬の力関係を考えてみようと思います
皐月賞登録馬が2頭以上出走したOP戦は、去年の暮れ以降11レース。まずG1朝日杯ですが、このレースにはフサイチリシャールをはじめ上位6頭がすべて皐月に登録しています。ただ、この組はその後のレースで勝ち鞍をあげているのは3着のジャリスコライトのみ。勝ちタイムなどを見ると、さほどレベルが低いとは思えないのですが、早熟系が上位を占めたのでは、という疑いも。唯一勝ち鞍をあげているジャリスコライトにしても、重賞とはいえ空き巣同然の京成杯での勝利。この馬に関しては、その後の出走がなく、どの程度成長しているのかがわかりにくいのですが、京成杯→皐月というローテーはどう見ても、皐月を獲りにきたという感が薄いのは確かです。
さて、朝日杯勝ちのフサイチリシャールですが、その後、共同通信杯、スプリングSいずれも2着。悪くはない成績なのですが、勝ち切れないところに2歳時には確かに存在したアドバンテージが他馬の成長により消滅したという見方も成り立ちます。
共同通信杯でそのフサイチに先着したのが、アドマイヤムーン。その後、弥生賞も勝ち、本番でも有力視されるに至ったわけですが、その両レースはいずれも例年に比べるとメンバーが小粒だったという感は否めません。共同通信杯4着のショウナンタキオンは朝日杯の4着馬、弥生賞の2着馬グロリアスウィークはきさらぎ賞4着馬ということを考えると、重賞を連勝したとはいえ、そう威張れたものではないという印象を強く受けます。弥生賞で4着敗退のサクラメガワンダーとの対戦成績も、1勝1敗の五分ですから、まだ勝負づけが済んだと見るのは早い気もします。
グロリアスウィークが出走していたきさらぎ賞は、共同通信杯や弥生賞と比べると、地味な印象が強いのですが、このレースで1、2着したメイショウサムソン、ドリームパスポートの2頭がその後のスプリングSでも順位こそ入れ替わりましたが、同タイムの1、3着に入ったことを考えると、意外に今年のきさらぎ賞組は強いのではないか。そんな推測も成り立ちます。少なくとも、アドマイヤムーンが共同通信杯で破ったフサイチリシャールをメイショウサムソンは同様に破っているわけですから、1番人気必至のムーンとはそんなに大きな差はないと見るのが妥当だという気がします。
そんなわけで、一連の重賞戦線を戦ってきた馬たちはほぼ横一線と見るべきなのではないか。それが結論ですが、厄介なのが、重賞を使っていない組の扱い。若葉S組フサイチジャンク、キャプテンベガの2頭は、そうした重賞を戦ってきた馬との対戦がほとんどなく、力関係は未知数です。それゆえの不気味さはあるのですが、同時に成績を額面通りには受け取れないという危惧も。未知の魅力をボジティブにとらえるか、ネガティブにとらえるかで評価は変わってきそうですが、この2頭に関しては走らせてみなければわからないというのが正直なところでしょう。あとはこの2頭がどの程度のオッズを示すのか。それ次第で、買いか消しかを決める、というのがギャンブル的には正しいのではないか、と思います。
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