TADAのDATA

単勝オッズ１倍台の馬が消えるとき

今日のテーマは有馬記念の単勝人気及びオッズです。

まず、単勝１番人気馬の有馬での成績ですが、勝率、連対率、複勝率ともにまずまずといったところです。

ただ、単勝率27.8％という数字は回収率を考えると、あまり食指を動かされないというか、単純に１番人気ばかりを買い続けていると、有馬ではどこまでいってもマイナスにしかなりません。

回収率を考えれば、単勝率33.3％の４番人気がオススメです。馬単や３連単の１着づけにも最適だと思います。

有馬で厄介なのは、単勝10番人気以下の馬の扱いです。確率は低いけれども、勝ってしまう可能性もある。馬単や３連単好きの方には悩ましいところだと思います。順位づけの難しいレースですから、配当は低くなっても確実に取りにいくなら３連単ではなく３連複勝負もアリかな、という感じです。

◆単勝人気別成績
------------------------------------------------
単勝人気 1着 2着 3着 着外 勝率 連対率 複勝率
------------------------------------------------
１番人気 5- 4- 2- 7/ 18 27.8% 50.0% 61.1%
２番人気 2- 3- 2- 11/ 18 11.1% 27.8% 38.9%
３番人気 1- 3- 3- 11/ 18 5.6% 22.2% 38.9%
４番人気 6- 1- 3- 8/ 18 33.3% 38.9% 55.6%
５番人気 0- 2- 1- 15/ 18 0.0% 11.1% 16.7%
６番人気 1- 1- 1- 15/ 18 5.6% 11.1% 16.7%
７番人気 0- 1- 0- 17/ 18 0.0% 5.6% 5.6%
８番人気 0- 0- 1- 17/ 18 0.0% 0.0% 5.6%
９番人気 0- 0- 0- 18/ 18 0.0% 0.0% 0.0%
10番人気 1- 0- 1- 16/ 18 5.6% 5.6% 11.1%
11番人気 0- 1- 1- 16/ 18 0.0% 5.6% 11.1%
12番人気 0- 0- 0- 18/ 18 0.0% 0.0% 0.0%
13番人気 0- 2- 1- 12/ 15 0.0% 13.3% 20.0%
14番人気 1- 0- 2- 9/ 12 8.3% 8.3% 25.0%
15番人気 1- 0- 0- 7/ 8 12.5% 12.5% 12.5%
16番人気 0- 0- 0- 7/ 7 0.0% 0.0% 0.0%
------------------------------------------------

一方、オッズですが、さすがに単勝1.4倍以内であれば鉄板といえます。表には1頭(94年優勝ナリタブライアン)しかいませんが、さらに過去にさかのぼっても、57年ハクチカラ(単勝1.0倍)、65年シンザン(単勝1.1倍)、84年シンボリルドルフ(単勝1.2倍)とすべて勝利を収めています。

しかし、単勝オッズが1.5倍を超えると、ちょっと雲行きが怪しくなってきます。過去18年の該当馬は4頭(89年5着オグリキャップ、91年2着メジロマックイーン、00年1着テイエムオペラオー、01年5着テイエムオペラオー)で、勝率25％、連対率50％となります。

オグリ、マックイーン、オペラオー級の馬であってもコケるときはコケる。有馬はやはり一筋縄ではいかないレースです。

今年の１番人気が予想されるゼンノロブロイも、このオッズによって、取捨を決めるというのも、ひとつの手かもしれません。

穴党にオススメなのが、単勝オッズ7.0～9.9倍のゾーンにいる馬です。過去4勝をあげていますし、配当を考えると、最もおいしいゾーンかもしれません。去年2着のリンカーン、01年優勝のマンハッタンカフェ、97年優勝のシルクジャスティスなどがこのゾーンに入っていた馬たちです。

単勝100倍以上のオッズをつけている馬も、有馬では過去3頭(91年優勝ダイユウサク、96年3着マイネルブリッジ、01年2着アメリカンボス)が3着以内に入っています。大きな配当を狙う場合は、このあたりの超人気薄馬もヒモでひっかけておいた方がいいかもしれません。

◆単勝オッズ別成績
------------------------------------------------------
単勝オッズ 1着 2着 3着 着外 勝率 連対率 複勝率
------------------------------------------------------
1.0～ 1.4 1- 0- 0- 0/ 1 100.0%100.0%100.0%
1.5～ 1.9 1- 1- 0- 2/ 4 25.0% 50.0% 50.0%
2.0～ 2.9 3- 1- 1- 3/ 8 37.5% 50.0% 62.5%
3.0～ 3.9 2- 4- 2- 4/ 12 16.7% 50.0% 66.7%
4.0～ 4.9 0- 1- 1- 8/ 10 0.0% 10.0% 20.0%
5.0～ 6.9 1- 2- 1- 8/ 12 8.3% 25.0% 33.3%
7.0～ 9.9 4- 2- 2- 12/ 20 20.0% 30.0% 40.0%
10.0～14.9 2- 3- 3- 17/ 25 8.0% 20.0% 32.0%
15.0～19.9 1- 1- 2- 16/ 20 5.0% 10.0% 20.0%
20.0～29.9 1- 0- 2- 28/ 31 3.2% 3.2% 9.7%
30.0～49.9 1- 1- 2- 49/ 53 1.9% 3.8% 7.5%
50.0～99.9 0- 1- 1- 42/ 44 0.0% 2.3% 4.5%
100.0～ 1- 1- 1- 15/ 18 5.6% 11.1% 16.7%
------------------------------------------------------

さて、次回は今年の有馬記念の世代別データを検証してみたいと思います。

有馬はタップとハイアーのワンツー?

有馬記念の種牡馬成績をながめていると、まず気づくのがブライアンズタイム、Silver Hawk、Kris S、サンデーサイレンスなどHail to Reason系の種牡馬が上位を占めている、ということです。

しかし、今年の出走予定の16頭の顔ぶれを見ると、その系統に属するのは前回ケチをつけたサンデー系の馬ばかり。

今回はこれらの系統以外から優勝馬が出る可能性も大いにあると思います。たとえば、Ribot系のタップダンスシチーとか。Fine Top系のヒシミラクルとか。ミスプロ系のアドマイヤドンもいますが、さすがに距離が合わないという感が強いです。

あえて、サンデー産駒のなかで候補を探すとすれば、マンハッタンカフェと同じ母系(母父Law Society)のハイアーゲームでしょうか。近走成績や右周りという条件が嫌われて人気ガタ落ちでしょうが、血統的にはまだまだ見限れない1頭だと見ています。

母系では、母父Blushing Groom、シルバーシャークが成功例が多いのですが、今年の有馬には出走馬がいません。そこで注目は母父Northern Dancer。過去にビワハヤヒデ、ナリタブライアン、タップダンスシチーという連対馬を輩出。Danzigなど同じ系統の母父も有馬で活躍していることから、今回も無視することはできないと思います。

早い話が、タップダンスシチーが海外遠征帰りという条件的な不利はあるにしても、血統的にはイチオシだということです。

もし、タップとハイアーのワンツーなんてことになると、配当はけっこうスゴイことになりそうですね。

人気が予想されるゼンノロブロイですが、やはり母系がミスプロという点が気になります。ちなみに、母系がミスプロだった代表的な例をあげておくと、ノーリーズン、フサイチエアデール、チョウカイキャロル、ウィッシュドリームなどですが、いずれも有馬では掲示板にすらのれずに敗退しています。

コスモバルクも、優秀なスピード系の血を受け継いでいるのですが、いかんせんスピードに偏りすぎというキライがあり、中山芝2500はこの馬にとって、いい条件ではないと思います。

次回は人気、オッズ面から有馬を分析します。

◆種牡馬別成績
---------------------------------------------------------
順位 種牡馬 着別度数 勝率 連対率 複勝率
---------------------------------------------------------
1 ブライアンズタイム 3- 0- 0- 8/11 27.3% 27.3% 27.3%
2 ダンシングキヤツプ 2- 0- 0- 1/ 3 66.7% 66.7% 66.7%
3 Silver Hawk 2- 0- 0- 1/ 3 66.7% 66.7% 66.7%
4 Kris S. 2- 0- 0- 1/ 3 66.7% 66.7% 66.7%
5 サンデーサイレンス 1- 4- 4-18/27 3.7% 18.5% 33.3%
6 ノーザンテースト 1- 1- 0- 9/11 9.1% 18.2% 18.2%
7 オペラハウス 1- 0- 1- 3/ 5 20.0% 20.0% 40.0%
8 シンボリルドルフ 1- 0- 0- 5/ 6 16.7% 16.7% 16.7%
9 フイデイオン 1- 0- 0- 2/ 3 33.3% 33.3% 33.3%
10 ミルジヨージ 1- 0- 0- 9/10 10.0% 10.0% 10.0%
11 ノノアルコ 1- 0- 0- 2/ 3 33.3% 33.3% 33.3%
12 メジロイーグル 1- 0- 0- 1/ 2 50.0% 50.0% 50.0%
13 Rainbow Quest 1- 0- 0- 0/ 1 100.0%100.0%100.0%
---------------------------------------------------------

◆母父馬別成績
---------------------------------------------------------
順位 母父馬 着別度数 勝率 連対率 複勝率
---------------------------------------------------------
1 Blushing Groom 2- 0- 1- 3/ 6 33.3% 33.3% 50.0%
2 シルバーシヤーク 2- 0- 0- 1/ 3 66.7% 66.7% 66.7%
3 Danzig 2- 0- 0- 1/ 3 66.7% 66.7% 66.7%
4 Gold Meridian 2- 0- 0- 0/ 2 100.0%100.0%100.0%
5 Northern Dancer 1- 2- 0- 3/ 6 16.7% 50.0% 50.0%
6 リマンド 1- 1- 0- 1/ 3 33.3% 66.7% 66.7%
7 ナイスダンサー 1- 0- 1- 4/ 6 16.7% 16.7% 33.3%
8 バウンテイアス 1- 0- 0- 1/ 2 50.0% 50.0% 50.0%
9 サテインゴ 1- 0- 0- 1/ 2 50.0% 50.0% 50.0%
10 ゲイメセン 1- 0- 0- 1/ 2 50.0% 50.0% 50.0%
11 ラークスパー 1- 0- 0- 0/ 1 100.0%100.0%100.0%
12 ダイコーター 1- 0- 0- 0/ 1 100.0%100.0%100.0%
13 Saint Cyrien 1- 0- 0- 0/ 1 100.0%100.0%100.0%
14 Law Society 1- 0- 0- 0/ 1 100.0%100.0%100.0%
15 マルゼンスキー 0- 2- 1- 5/ 8 0.0% 25.0% 37.5%
16 ヴアイスリーガル 0- 2- 0- 0/ 2 0.0%100.0%100.0%

54 Mr. Prospector 0- 0- 0- 4/ 4 0.0% 0.0% 0.0%
---------------------------------------------------------

有馬記念のサンデーサイレンス産駒

有馬記念に限らず、G1では避けて通れないのがサンデーサイレンス産駒の取捨です。

サンデーの初年度産駒である95年ジェニュイン以降、サンデー産駒は有馬で皆勤賞を続けており、03年までに延べ27頭が出走しています。で、その成績は[1-4-4-18]。勝率3.7%、連対率18.5%、複勝率33.3%となっています。

他のG1に比べると、有馬のサンデー産駒はあまりパッとしません。優勝は01年マンハッタンカフェ1頭のみ。意外にも単勝1番人気に推されたのも97年マーベラスサンデー(2着)1頭だけです。

先に紹介した全成績を見ると、サンデーはイマイチという感を抱いてしまいますが、それはサンデー産駒は人気を集めて当然という色眼鏡で見てしまうせいかもしれません。視点を変えて、穴馬という観点に立つと、サンデー産駒の成績も意外に悪くないのではと思えてきます。

02年3着コイントス(8番人気)、01年3着トゥザヴィクトリー(6番人気)、98年3着ステイゴールド(11番人気)など、人気薄での好走が目立つサンデー産駒は、有馬に限っては穴候補と見た方がいいのかもしれません。

次回は有馬のその他の種牡馬成績などを。

前走圧勝の落とし穴

今日は過去の有馬記念出走馬の前走着差を取り上げたいと思います。

まずは、前走で勝っていた馬のデータです。

--------------------------------------------------
前走着差(秒) 1着 2着 3着 着外 勝率 連対率 複勝率
--------------------------------------------------
1.0～1.9 1- 0- 0- 1/ 2 50.0% 50.0% 50.0%
0.6～0.9 0- 1- 1- 4/ 6 0.0% 16.7% 33.3%
0.3～0.5 0- 0- 0-10/10 0.0% 0.0% 0.0%
0.1～0.2 3- 1- 1-31/36 8.3% 11.1% 13.9%
0.0 2- 2- 2- 8/14 14.3% 28.6% 42.9%
--------------------------------------------------

前走で0.3秒差以上の差をつけて圧勝した馬の有馬での全成績は[1-1-1-15]です。
唯一、勝っているのは94年ナリタブライアン。辛うじて3着内に入ったのは、88年スーパークリーク(3着入線も失格)、93年ビワハヤヒデの2頭です。これらの馬に共通するのは年齢が3歳であること、前走が菊花賞(しかも優勝)だったことの2点。伸び盛りの3歳馬の勢いが、有馬好走に結びついたといえます。

02年ファインモーション(前走0.4秒差勝ち)、03年タップダンスシチー(前走1.5秒差勝ち)という人気馬が破れ去ったのも、前走圧勝の反動と考えられます。

有馬で好走するためには、前走で勝つにしても0秒2以内であること。これが有馬の掟だと思います。

そして今年、前走JCをあまりにも鮮やかに勝ったがゆえに、ゼンノロブロイには危うさを感じてしまうのです。そのJCで2着馬につけた着差は0.5秒。データでは、これに該当する馬はすべて着外に沈んでいます。

次に、前走で負けていた馬のデータです。

--------------------------------------------------
前走着差(秒) 1着 2着 3着 着外 勝率 連対率 複勝率
--------------------------------------------------
0.0 0- 1- 3-11/15 0.0% 6.7% 26.7%
0.1～0.2 3- 5- 3-16/27 11.1% 29.6% 40.7%
0.3～0.5 2- 3- 5-26/36 5.6% 13.9% 27.8%
0.6～0.9 2- 3- 1-36/42 4.8% 11.9% 14.3%
1.0～1.9 5- 2- 1-48/56 8.9% 12.5% 14.3%
2.0～2.9 0- 0- 0- 9/ 9 0.0% 0.0% 0.0%
3.0～3.9 0- 0- 0- 2/ 2 0.0% 0.0% 0.0%
4.0～ 0- 0- 1- 2/ 3 0.0% 0.0% 33.3%
--------------------------------------------------

前走で負けている馬は、0秒9以内の着差だったケースが多いですが、1秒以上負けている馬でも5勝2着2回3着1回という実績は見逃せません。

昨日紹介した10着以下の大敗馬も巻き返し可能というデータとも関連するのですが、たとえ2秒近く離された大敗であっても、有馬ではその着差をひっくり返してしまう馬が現れるケースが少なくない、ということです。

ちなみに、1秒以上の大差をひっくり返したのは、シンボリクリスエス、トウカイテイオー、メジロパーマー、イナリワン、メジロデュレンの5頭です。

これらの馬に共通するのは芝2200以上のＧ１勝ちの実績があったという点です。それらの実績がない場合は2、3着までと考えていいでしょう。

昨日から見てきた前走データからいえることは、有馬ではあまり前走着順は気にする必要はない、ということです。逆にそれに引きずられすぎると、肝心なポイントを見落としてしまう可能性が高くなります。

次回は、血統面から有馬を探ってみたいと思います。

蘇るG1馬

昨日書いたデータとも関連するのですが、有馬記念は前走大敗から一変して蘇る馬が多いという印象があります。

有名なところでは、オグリキャップがそうですし、トウカイテイオーやイナリワンもそうでしたね。

そこで、有馬記念の前走着順別のデータ(86年以降)を整理してみると、こんな感じです。

前走着順 1着 2着 3着 着外 勝率 連対率 複勝率
------------------------------------------------
１着 6- 4- 4-54 8.8% 14.7% 20.6%
２着 1- 3- 4-25 3.0% 12.1% 24.2%
３着 4- 2- 3-18 14.8% 22.2% 33.3%
４着 0- 5- 2- 6 0.0% 38.5% 53.8%
５着 1- 2- 2-14 5.3% 15.8% 26.3%
6～9着 1- 0- 1-49 2.0% 2.0% 3.9%
10着～ 5- 2- 2-38 10.6% 14.9% 19.1%
------------------------------------------------

勝率が最も高いのが前走3着馬ですが、それに続くのが前走10着以下の馬なんですね、驚くべきことに。

こんなG1レースはおそらく有馬だけだと思います。

タイトルに「蘇るG1馬」なんて書いてしまいましたが、蘇るのはG1馬だけじゃなくて、アメリカンボス、タップダンスシチー、ダイワテキサスなどのG2やG3レベルの馬まで蘇ってきますので、有馬はときに途方もない荒れ方となるわけです。

今年、前走10着以下に負けているシルクフェイマス、ハーツクライ、ハイアーゲームなどが突然蘇るなんていうシーンがあっても不思議ではありません。

ところで、前走1着馬ですが6勝をあげているとはいえ、勝率8.8％という数字はいただけないですね。やはり、昨日書いたように、前走で目一杯走ってしまうと、有馬ではガス欠を起こすということなのかもしれません。

他で目につくのが、前走4着馬の複勝率の高さ。1着馬が1頭もいないのは少し意外な気もしますが、複勝率53.8%というのはなかなかのものだと思います。今年の該当馬はツルマルボーイ1頭のみです。有馬では人気になりそうにありませんが、JCをパスしたことにより、この秋の消耗度は他馬より少ないはず。ちょっと注目してみたい1頭ですね。

さて、次回はその前走の着差にまで踏み込んで、データを分析してみたいと思います。

JC上位馬の死角

有馬記念は秋のG1シリーズを戦ってきた馬たちの最後の頂上決戦です。

したがって、この大一番を勝つためには底力だけでなく、ここに至るまでにどれだけ力を温存できているかが問われます。

有馬を解き明かすカギは「底力」＋「温存」。その比重は年によって当然異なり、「底力」に傾くときは順当に、「温存」に傾くときは波乱になる。そんな感じだと思います。

有馬に至るまでの消耗度を測るために、いちばん有効なのがJCの結果です。かつては、JCの最先着馬は有馬で消える、といわれましたが、99年2着のスペシャルウィーク、00年優勝のテイエムオペラオーによって覆された、と見られています。

しかし、その2頭のJCでの走破タイムが、いずれも2分25秒台と26秒台というJCにしては平凡なタイムであったことを見落としてはならないと思います。

JCを2分24秒台以内のタイムで駆けて、なおかつ連対した馬の有馬での成績は以下のようになります。

89年オグリキャップ…５着(1番人気)
92年トウカイテイオー…11着(1番人気)
93年レガシーワールド…５着(2番人気)
95年ヒシアマゾン…５着(1番人気)
96年ファビラスラフイン…10着(4番人気)
01年テイエムオペラオー…５着(1番人気)

今年、有馬で人気を集めそうなゼンノロブロイ、コスモバルク、デルタブルースの3頭はいずれもJCを2分24秒台で駆けており、上記のデータでいえば消える可能性も十分あるといえます。

馬の消耗度を測る場合、秋の消化レース数がよく話題になりますが、単純に消化レース数を見るのではなく、レベルの高いG1での走破タイムや着順を見た方がより正確に消耗度を測ることができるのではないか、と思います。

阪神ダート1200はミスプロ系の天下

阪神ダート1200は同じ距離とはいえ中山ダ1200とは傾向がかなり異なります。

まず、今年の種牡馬成績を見ると、阪神ではアフリート、フォーティナイナーという、ミスプロ系が圧倒的に強いです。サンデー軍団(バブルガムフェロー、サンデーサイレンス、フジキセキ)も頑張っていますが、その3頭の勝ち鞍(8勝)を合わせても、アフリート1頭(9勝)に及びません。

ミスプロ系ではエンドスウィープという新進種牡馬もおり、しばらく、この系統の天下は続きそうな雲行きです。

母父ではノーザンダンサー系(ノーザンテースト、Danzig、ラシアンルーブルなど)が強く、まあミスプロ×ノーザンダンサーというお約束のような配合が◎、ということです。

脚質では逃げ、先行有利となっています。今年になって、このコースで追い込んで勝った馬はわずか2頭。全体のなかでの占有率は、わずか0.6%です。追い込む競馬しかできない不器用な馬はこのコースではほとんど用ナシと考えていいでしょう。

ところで、話が変わって、有馬記念ですが、いろいろデータをほじくっていると、出てくるのがゼンノロブロイ消しという材料ばかりです。このあたりのネタはまた次回に。

中山ダート1800は内枠の逃げ馬有利

前回に続き、中山ダートコース研究です。

今回のテーマはダート1800。

このコースで顕著なのは、1枠有利という点。
今年だけのデータですが、勝率が12.1％と唯一10％を超えており、連対率(22.3％）、複勝率(30.6％)いずれも1枠がトップに立っています。

脚質を見ると、圧倒的に逃げ有利で、勝率(28.2％)、連対率(46.6％)、複勝率(54.2％)いずれもトップです。

その逃げ馬が1枠に入ると、勝率(37.5％)、連対率(62.5％)、複勝率(62.5％)と、さらに好走確率はグンと高まります。

1枠に逃げ馬が入れば、たとえ人気薄でもとりあえず買っとけ、というのが、このコースのセオリーだと思います。

種牡馬では一応サンデーサイレンスが今年12勝をマークしてトップなのですが、その内容を見ると、11勝までが1000万条件以下でマークしたもの。OPでの勝ち鞍はゼロです。サンデー産駒は狙うにしても下級条件戦に限った方が賢明です。

サンデー以外の種牡馬で勝率20％以上をマークしているのが、ティンバーカントリー、サクラローレル、ウイニングチケット、マヤノトップガンあたり。なかでも意外性があるという意味では、サクラローレルでしょうか。代表的産駒の1頭エーピースピリットは今年中山ダート1800で3勝をマークしていますが、そのうち2勝は単勝10番人気以下でした。冬の中山ダート1800ではローレル産駒、要注意だと思います。

中山ダート1200の四天王

中山ダート1200で勝ちまくる種牡馬の四天王といえば、サクラバクシンオー、トワイニング、フォーティナイナー、タイキシャトルです。

これらの種牡馬の産駒は今年中山ダート1200で連対率20％以上をマークしています。しかし、どの種牡馬の産駒も同じように走るかといえば、そうではないんですね、困ったことに。

大雑把にいえば、本命サイドのトワイニング、フォーティナイナー、タイキシャトル。穴ならサクラバクシンオーといったところでしょうか。

たとえば今年中山ダート1200で走ったフォーティナイナー産駒の1番人気時の成績は[5-0-0-0]。パーフェクトなんですね。ところが、サクラバクシンオー産駒の1番人気時の成績は[3-2-1-5]と、割とよくコケます。バクシンオー産駒が1番人気になっているときは波乱もあり得る。そう覚悟しといた方がいいでしょう。

では、次回は中山ダート1800編をお送りします。

1番人気の分岐点

2歳戦というのは、どの馬もまだキャリアが浅くて予想が難しいですよね。

はっきりいって、2歳戦は苦手です。

まあ、でも、そうもいってられないので、役に立つかどうかはわかりませんが、阪神JFのデータをひとつ。

1番人気馬の取捨のポイントなんですが、オッズが1倍台の馬は86年以降[3-0-0-1]と信頼度◎。これが2倍台になると、[0-0-1-3]と、いきなり信頼度が低下するんです。

どの馬が1番人気になるにしても、オッズはしっかりチェックしておいた方がいいですね。