明日5月11日(水)はいよいよ地方競馬牡馬3冠の第一関門となる第50回羽田盃(G1)。
注目はやはり圧倒的1番人気が予想される7枠11番シーチャリオット。昨年暮れの全日本2歳優駿(G1)ではプライドキムに完敗でしたが、このときはスタート後によれたり、道中口を割ったりで、まだ子供っぽさが残る内容。それでも、直線に入ってから前を行くシベリアンホビーをとらえきった末脚は迫力満点。あれから約5カ月。馬体重も前走では501キロ(全日本2歳優駿時は472キロ)まで成長し、一戦ごとにレース内容にも子供っぽさが抜けて競走馬として完成の域に徐々に近づきあるといえます。
前走の京浜盃(G2)では5番手に控えて3角から徐々に進出。4角では早くも先頭集団にとりついて直線に入ってからは後続を一瞬のうちに置き去りにする内容は強いの一言。さらに鞍上が内田博幸となれば、取りこぼしは考えにくく、ここは相手探しに専念するのが得策。
人気は京浜盃上位馬だと思われますが、シーチャリオットにぶっちぎられたトウケイファイヤーやメイプルエイトよりも、上がり馬の8枠12番サウンドイモン、2月の雲取賞でシーチャリオットに食い下がったマズルブラスト、そして母系に中央のファンもおじみのダイナシュガーの血が流れる5枠7番スプリームシュガーあたりに期待したいところ。
JRAの皐月賞では能力的に抜けたディープインパクトが前にいる馬たちを大掃除してしまったように、この羽田盃でもシーチャリオットに真っ向からケンカを売りに行く馬はツライ競馬を強いられそうで、結果的に皐月のシックスセンスのような後方待機の人気薄馬が漁夫の利を得る可能性も。その意味では、2枠2番ジークヴァルトあたりも要注意かもしれません。
いずれにしても、このレースはシーチャリオットが勝つかどうかよりも、どういう勝ちっぷりを見せてくれるかが焦点。明日が楽しみです。
牝馬のワンツー決着となった第10回NHKマイル。今年の3歳牝馬のレベルが高いのかどうかを議論するには時期尚早だと思いますので、そのあたりの話は控えるとして。
馬券を買う立場で、なぜ桜花賞馬がオークスという勲章を取りに行かずにこちらにまわってきたのかをもう少し重く考えるべきだったかな、と反省しています。もちろん、距離適性を考えてのことでしょうが、もし、今年のNHKマイルに去年のキンカメのような存在がいれば、ラインクラフト陣営も距離を心配しながらオークス出走を選んだのだろう、という気がします。しかし、今年は出走メンバーを見渡すと、牡馬の一線級が不在。同陣営には勝てる、という確信めいたものがあったのでしょう。名より確実に取れそうな実を、ということでオークスを捨てた陣営の英断には参りました、とアタマを下げるしかありません。
誤解を恐れずにいえば、今年のNHKマイルはG1レベルの牝馬とG2レベルの牡馬の対決という図式だったのだなあ、と。そして、G1レベルの牝馬が勝った。そういう風にレース前にきちんと考えていた人が馬券を取り、そういう考えを重視しなかった私のような人間が砕け散ったということだと思います。
でも、NHKマイルはともかく、日曜は私の主戦場であるダート戦で万馬券を立て続けにGETという僥倖にも恵まれたので、私自身としてはとてもいい日でした。これでGWでの地方競馬での負けを取り返せたかな、という感じです。
NHKマイルCの前売りオッズを見ると、ほぼ予想通りという印象。今年のメンバーを見てると、03年の雰囲気に似た感じを受けます。この年も抜けた存在がいなかったのですが、結局重賞勝ちのあるウインクリューガーとエイシンツルギザンのワンツーなのに、なぜか馬連万馬券決着という不思議な結末でした。
混戦模様の年こそ、素直にマイル以上の距離での重賞実績を信頼するのが大切なのかも。そういう観点では、ペールギュント、マイネルハーティー、ビッグプラネット、ラインクラフトの4頭がやはり優位なのかなと思ったりします。ちなみに、この4頭の絡みの馬単で最も配当がつくのがビッグプラネット-ラインクラフトの組み合わせで74倍。夢を追うのであれば、この2頭を軸の3連単という狙いもおもしろいかもしれません。
◆NHKマイルC単勝人気順オッズ
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順 枠 番 馬名 騎手 単勝
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1 1 2 ペールギュント 武豊 3.4
2 6 12 ラインクラフト 福永祐一 4.7
3 2 4 アイルラヴァゲイン 横山典弘 6.8
4 6 11 マイネルハーティー 内田博幸 6.9
5 7 14 ビッグプラネット 蛯名正義 9.6
6 2 3 セイウンニムカウ 安藤勝己 18.3
7 8 17 イヤダイヤダ 柴田善臣 21.0
8 8 18 インプレッション 松永幹夫 22.2
9 7 13 デアリングハート 後藤浩輝 25.9
10 5 10 シルクトゥルーパー 上村洋行 26.4
11 5 9 ディープサマー 藤田伸二 27.9
12 3 6 パリブレスト 田中勝春 54.1
13 4 7 コスモフォーチュン 松岡正海 58.1
14 4 8 バブルエスティーム 小牧太 59.5
15 3 5 コパノフウジン 佐藤哲三 74.5
16 1 1 エイシンヴァイデン 武幸四郎 83.0
17 8 16 ストラスアイラ 吉田豊 138.6
18 7 15 マルターズビクター 勝浦正樹 140.0
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第17回かしわ記念(G1)はJRAの4頭のなかでは最も実績で見劣りするストロングブラッドが快勝という意外な結果に。2着にも距離が不安視され人気を落としていたタイムパラドックスが入り、JRA馬が上位独占しながら馬単7010円の高配当に。
1番人気のメイショウボーラーは5着、2番人気のアドマイヤドンも4着といずれも馬券の対象にもなれず。地方馬ではナイキアディライトが健闘を見せましたが3着どまり。
ストロングブラッドの勝因はやはり内田騎手の好騎乗につきると思います。3角から4角にかけての手応えはボーラーやドンの方が良さげに見えたのですが、得意のイン突きで前で粘るメイショウボーラー、ナイキアディライトを一瞬のうちに突き放しました。外からタイムパラドックスが追い込んできたものの、時すでに遅し。今日は内田騎手の名人芸に翻弄された格好でした。
ボーラーはマイナス10キロの馬体重が示すように、デキがイマイチだったかも。あのダート戦3連勝時のような引っ張りきれないほどのスピードで他馬を圧倒した姿はまったく見られず見せ場は4角まで。アドマイヤドンもジリジリとは伸びを見せるも全盛期の豪脚にはほど遠い印象。
今日はかしわ記念を含めて内田騎手が絶好調。最終レースでも6番人気の馬を2着に持ってきて私の馬券を見事に紙屑にしてくれました。こうなると、NHKマイルでもマイネルハーティーを買わざるを得ないってことでしょうか。レース終わったのに悩みは尽きません。
ところで、競馬場に同行していた知人がレース後「ストロングブラッドが交流レースに勝つと、必ずその競馬場がつぶれちゃうんだよね」と不吉な一言。船橋がそうならないように願っておりますが、なんとなくそのジンクス、気になります。
今日の兵庫CSはなかなか見応えのあるレースでした。
スタート後はプライドキムの池添がハナを主張。しかし、楽には行かせまいとダイワキングコンの武豊がプレッシャーをかける。それでもプライドキムがハナを譲らず、隊列がほぼ決まったかというところで、今度は小牧のアグネスジェダイが先頭に。この主導権争いで割りを食ったのが、やはりプライドキムとダイワキングコン。
アグネスの小牧にとっては、いい展開だったはずなのですが、その後方で満を持して脚をためていたのがドンクール。結果は先行争いから一歩引いた形でレースを進めたドンクールが1着。次いで2着アグネスジェダイ、3着プライドキムの順。ダイワキングコンは園田のグレートステージにもかわされて5着敗退。上位人気馬が順当に上位を占める結果になったのですが、能力的に差のない5頭のつばぜり合いは見応えがありました。個人的にはプライドキムの先頭ゴールインが最も望ましかったのですが、今日のところは決して楽ではない展開で差のない3着に粘ったことだけでも良しとしなければいけないと思います。
さて、明日はG1かしわ記念。レースは1番人気必至のメイショウボーラーの出方次第という気がします。好枠を引き先に行きたい口のナイキアディライトをボーラーがかわいがれば、行った行ったの決着も。しかし、スピードの違いでナイキアディライトを競りつぶしてしまえば後続の馬にもチャンスが生まれそうです。ただ、人気の一角を占めそうなタイムパラドックスは2度続けての好走がないタイプだけに今回はどうか。アドマイヤドンも左回りに一抹の不安があり、意外に地方馬にもチャンスがあるのでは。
明日は船橋競馬場でその走りをこの目で確認してこようと思います。
ゴールデンドリームシリーズの第1弾「第7回かきつばた記念」は、地元愛知所属のヨシノイチバンボシがV。
ハナを切ったJRAのディバインシルバーの番手で折り合い、直線に入るまで追い出しを我慢して後続の脚を封じた吉田稔騎手の好騎乗。2着に入った9歳馬ノボトゥルーも直線に入ってからよく追い詰めましたがクビ差届かず。3着にも同じ9歳のハタノアドニスが入線。この3頭の差はわずかで、今日のところは斤量有利だった4歳馬ヨシノイチバンボシに軍配が上がった格好。
単勝1番人気に推されながら4着敗退のユートピアは、3コーナーあたりで手応えがあやしくなって置かれてしまったのが痛かった。直線に入ってよく差をつめてきているだけに、勝負処でのもたつきがなければ、という内容。3コーナーで置かれたのが斤量のせいなのか、あるいはいつもの気の悪さを出したのか。いずれにしても、この馬は人気に応えて横綱相撲をとるというキャラでないのは明らか。潜在能力は高いだけに、今後交流重賞でも人気が落ちたときこそが狙い目かも。ただG3レベルだと、また人気に祭り上げられそうですが…。
私が期待したレマーズガールは、距離は大丈夫と見ていたのですが、今日のレースぶりを見ると、やはりちょっと距離が忙しすぎた感が。
というわけで、明日は兵庫チャンピオンシップ。こちらはJRAの4頭が有力ですが、2歳時に兵庫ジュニアGPで園田コースを経験しているプライドキムに期待。南関東の雄シーチャリオットを全日本2歳優駿(G1)で4馬身ちぎった性能の高さはここでも一枚上と見ています。
ビッグタイムの次はゴールデンドリームですか。
まあ、いわゆる地方競馬の重賞3連発。3日かきつばた記念(G3)、4日兵庫チャンピオンシップ(G2)、5日かしわ記念(G1)とコアな競馬ファンはケツの毛まで抜かれてしまいそうなゴールデンウィークというわけです。
地方競馬だから馬券を買いたくても買えないと安心してしまっている方もおられるかもしれませんが、広域発売が実施されますので、ココでもアソコでも買えてしまいます。うれしいような困ったような話ではあります。
まず、明日のかきつばた記念ですが、これはやはりユートピアの取捨が最大のポイント。アンカツをして「気難しい」と嘆かせた馬で、実績断然とはいえ59キロの斤量も考えれば、それほど堅い軸馬とはいえません。それなら2走前の名古屋大賞典で2着に頑張ったレマーズガールの方が狙いとしてはおもしろそうな気がします。この馬はご存じのように、稼げる場所ならどこへでも行くというジプシー・レディ。輸送慣れしているのが、なによりの強み。名古屋大賞典で斤量56キロも克服済みで、ゴールデン狙いなら断然レマーズガールだと思います。
今年の春天はまさにアッと驚く結末。
確かにスズカマンボは前年の菊花賞出走組のなかでは最先着だったのですが、まさかこの馬が今回先頭ゴールインするとは唖然呆然でした。
今回の天皇賞は能力的に抜けた存在が見当たらず、道中いかにロスなく運べたかが明暗を分けた形。
レース後、安藤勝己騎手が菊では大外をまわって届かなかったので、今回はそれを繰り返さないように気をつけて乗ったみたいなことをいっていましたが、確かに終始インに張りついて最もロスのない競馬。
ヒシミラクルはスタート直後に馬が首を振って後方に置かれましたが、その後も度々馬が首を振る仕種を見せただけでなく、引っ掛かり気味に一気に先行集団へ。正面スタンド前の直線に入るころにはようやく落ち着きましたが、そこまでのロスが大きすぎました。
シルクフェイマスも最後の直線まで我慢しきれずに先頭に立った瞬間にアウト。シルクに道中でかわされたビッグゴールドは慌てず騒がず自分のペースを守ったのが好走につながりました。
1番人気のリンカーンは直線まで脚をためることはできたのですが、いかにも道中の位置どりが後ろすぎ。こういうレースしかなかったのか、福永騎手の騎乗にはちょっと異を唱えたい気も。
マカイビーディーヴァにとっては午後からの雨が恵みになるかと思われましたが、降り出すのがちょっと遅かった。もう少し馬場がソフトになればまた違った結果になったかもしれないと思わせましたが、この馬場状態ではここまでが精一杯という印象。
今回の結果で牡馬中長距離路線はさらに混沌としてきた感が。宝塚も春天に続いて難解なレースとなりそうです。
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